読書『マカン・マラン-二十三時の夜食カフェ-』古内一絵*カレーに纏わるブックレビュー[2冊目]
今回は、カレーに纏わる本2冊目は『マカン・マラン』です。
カレー部分の感想と、ストーリーの感想をわけてご紹介したいと思います。
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【カレー関連度】
★☆☆☆☆
タイトルの通りカレーを題材とした本ではありませんが、素敵な物語の中にカレーが出てきたので紹介させてください!
陰陽論を用いた食事法『マクロビ』を使った、美味しそうな料理がたくさんでてくる一冊です。
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【あらすじ】
ある町の路地裏に元超エリートのイケメン、今はドラッグクイーンが営むお店がある。そこには様々な悩みをもつ人が集まってきて?
«「BOOK」データベースより»
【著者情報】
古内一絵(フルウチカズエ) 東京都生まれ。映画会社勤務を経て、中国語翻訳者に。第五回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、2011年『快晴フライング』(ポプラ社刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
«「BOOK」データベースより»
【ストーリーの感想】
目印はハナミズキ。
路地裏にある隠れ家のようなお店『マカン・マラン』。
実際にあったら行ってみたい!!と思うくらい素敵なお店。
マカン・マランの店主である、ドラッグクイーンは陰陽論を用いた『マクロビ』という食事法を大切にしています。
マクロビは、「MACLO(長い)」「BIO(生命)」「TIQUE(術)」という意味で、旬のものを葉や根まで丸ごと、バランス良く食べようということらしいです。
物語の中に様々な料理が出てくるのですが、食べたことのない料理なのに、どれも美味しそうで涎がでてくる。
ストーリー構成も良くて、繋がりのある4つの短編で構成されています。
読みやすいので、活字が苦手な方にもおすすめの1冊でした!
余談ですが・・・
マカン・マランの店主は、深夜に食べても胃がもたれない料理を提供しています。
これはPINCOLOも目標にしているテーマの1つ。
市販のルゥを使ったカレーもおいしいですが、旬の食材でスパイスから作るカレーも格別です!
小麦粉・卵・乳製品を使わずに、スパイスと旬の食材と塩で作る。
宗教やアレルギーで食べられない食材がある方でも、選択肢が広がり、辛くしなければ胃にも優しいのがスパイスカレーです。
スパイスは漢方薬でもあるので、薬よりも穏やかに、体調にあった調合をすることが可能です。
まずは、3大アレルゲン食品不使用で宗教に入っている方でも食べられる、美味しいカレーを作れたらと思います!
【カレー小説としての感想】
カレーはほとんど出てきませんが、料理の描写がとにかく上手。
出てくる料理が全部美味しそう!
では、どんなカレーが出てきたのかご紹介していきます。
※ここからはネタバレ要素があるので、皆さんの判断にお任せしますね。
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まず、カレーは『第二話 金のお米パン』に登場します。
金のお米パンなのに、カレー。
そうです!登場するカレーは『カレーパン』になります!
しかもこのカレーパン、なんとお米で作ったカレーパン。
生米や米粉100%でパンを作ったことのある方ならわかると思うのですが、100%お米のパンは本当に難しい!!
小麦は水を加えて捏ねるとグルテンという膜ができるのですが、お米にはグルテンがありません。
グルテンは発酵により出来たガスを閉じ込めパンを膨らませる役割があるので、それがないお米のパンはめちゃくちゃ難しいのです。
なので、お店で売っている米粉パンは小麦粉と米粉をあわせているものがほとんど。
また、お米100%で焼くと「焼き餅」のような食感になってしまうことも。
マラン・カランの店主は生米から作っているみたいだったので、レシピが凄く気になりました。
スパイスカレーでグルテンフリーにこだわっているからこそ、パンもこだわりたい。
実は試作品は何度も作ってみたものも、未だ納得のいくパンはできていないのです。
このカレーパン、食べてみたい。どうやって作ってるんだろう、どんな味と触感なんだろう・・・。
作中では、とにかく捏ねて捏ねて捏ねていましたね!
良い感じのレシピが出来た際には、サイトに載せたいと思います!!
素敵なアイデアと、温かいストーリーの『マラン・カラン』。
ぜひお手にとって読んでみてください。
紙書籍《単行本:1650円》
マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ【電子書籍】[ 古内一絵 ]
それではまた、次回のカレーで!
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