ルゥカレーではなく、なぜスパイスカレーなのか
みなさんカレーは好きですか?
自分は毎日、狂ったようにひたすらカレーを作っています。
リビングのカーテンからは炒めた玉ねぎとスパイスの香りがするし、手からはほんのり香るパクチー
ただ、やめられない
これが俗にいうカレー沼というやつですね。
ひとくちにカレーといっても、バーモントカレーやとろけるカレーのようなカレールゥで作る、いわゆる"ルゥカレー"ではなく"スパイスカレー"の方です。
もちろん、ルゥカレーにもスパイスは入っていますが、一般的にスパイスカレーというと、大抵の場合はインドやタイで食べられている”スパイシーでエスニックなカレー”を指していることが多いです。
中でも、私がお熱なのは、インドのカレーです。
なぜインドのカレーなのか、それは”無駄なものは一切入れない” という精神に惹かれたからです。
インドは”ベジが人口の60%を占める” 菜食主義の国です。
そのため、カレーのベースは野菜とスパイスが中心
メインにはお豆や鶏や子羊、旬の魚
(中にはメインも野菜なんてこともあり)
調味料に至っては”塩のみでOK”
にもかかわらず、香り高く、不思議と力強い旨さがあります。
ただ、日本の一般家庭には普及していないのが現状
スパイスカレーは、何度かブームになっているので、今でこそ、日本でも受け入れられつつありますが、やはり、日本人にとっては、ルゥカレーという存在が大きすぎるんですよね。
そもそも、日本で好まれている、ルゥカレーというのは 200 年ほど前のイギリスが発祥といわれています。
イギリスの家庭ではよくシチューが食べられていて、イギリスのお母さんがインドカレーを真似て、スパイスを振りかけたものを、食卓に出し始めたのが、ルゥカレーの起源です。
それが、西洋化の真っ只中であった日本で、大ウケ
一般家庭に普及するまでに至ったそうです。
というのも、日本は出汁文化ですよね
言い換えれば”旨味”というものを”何よりも大事” にしています。
肉と野菜のガラでじっくり出汁をとったブイヨン
生クリームやバターの乳製品の旨味
そこに当時の日本にはなかった
独特なカレーを構成するスパイスのほのかな香り
対して、わざわざ出汁をとったりはせず”香り” と”素材の味”を重視するインドのカレーはルゥカレーほど日本人には響かなかったのかもしれません。
ただ、ルゥカレーはシチュー由来ということもあり乳製品、小麦粉が含まれているため、それらのアレルギーをお持ちの方は食べることができません。
ルゥという言葉は”小麦粉とバター(動物性油脂)を炒めたつなぎ”という意
つまり、小麦粉でとろみをつけるかつけないか
これが、スパイスカレーとルゥカレーの
”成分上での一番の違い” かもしれません。
幸いにして、私は食物アレルギーはないのですが、その当時、みんな大好きルゥカレーを食べられない人も、世の中にはいると気づいた時は、かなりショックでした。 (私は猫好きにもかかわらず猫アレルギーなので、その時も軽くショックを受けました)
最近ではグルテンが体に悪いのでは?といった意見も見かけるようになり、どうせ食べるなら健康的な方がいいよねと私はスパイスカレーを作るようになりました。
もちろん、スパイスカレーを作るのは、健康的だからという理由だけではないです。
茶色一色のルゥカレーとは異なり、スパイスカレーは食材とスパイスの組み合わせで、無数に風変わりし本当に奥深いです。
また、スパイスを何種類も集めたりするのは、純粋にコレクター精神をそそられますし
なにより、今は”スパイスカレーを作ること自体が楽しい”です。 これからも「スパイスカレーで美味しく健康に」というモットーのもと、日夜カレー作りを続けていきます。
いつか、皆様のもとでスパイスカレーを提供できる日を心待ちに。